Profile
1982年6月9日生まれ。福岡県出身。長崎・国見高校で総体・国体・選手権の高校三冠達成。2001年セレッソ大阪でプロデビュー。スペインやドイツでもプレーし、川崎フロンターレ時代には3年連続Jリーグ得点王に輝く。日本代表では、ワールドカップ南アフリカ大会、ブラジル大会に出場。2021年、15年ぶりにセレッソ大阪に復帰。シーズン途中より三男と二人暮らしを始め「主夫」としての一面も。J1リーグ通算191得点は歴代1位。2021年シーズンをもって20年間のプロサッカー選手を引退。
1982年6月9日生まれ。福岡県出身。長崎・国見高校で総体・国体・選手権の高校三冠達成。2001年セレッソ大阪でプロデビュー。スペインやドイツでもプレーし、川崎フロンターレ時代には3年連続Jリーグ得点王に輝く。日本代表では、ワールドカップ南アフリカ大会、ブラジル大会に出場。2021年、15年ぶりにセレッソ大阪に復帰。シーズン途中より三男と二人暮らしを始め「主夫」としての一面も。J1リーグ通算191得点は歴代1位。2021年シーズンをもって20年間のプロサッカー選手を引退。
- Q:15年ぶりのセレッソ復帰で、開幕から3試合連続のゴールもありました。以前に「燃え尽きていない自分に気がついた」という発言もありましたが、得点感覚が戻ってきた1年でしたか?
- ボールが来れば、点を取るっていう自信は昔から持っていたので、「そこはまだ衰えてないよ」ということを見せられたと思います。30代になって川崎フロンターレに移籍したときも、「もう駄目だね」って言われたんですけど、自分にボールが来るようになって3年連続得点王を取りましたし、今回もボールが来たら決めるんだっていうことを示せたので、その繰り返しでサッカーを続けられていると思います。
正直なところ、39歳までサッカー選手を続けられていると思ってなかったですね。サッカーはあくまで仕事であって若いときは早くやめたいと思っている自分もいて。30歳でやめたいと思ったんですけど、変化が出てきたっていうか、サッカーが好きになって楽しくなってきて、人って変われるんだなって思ってます(笑)。この年齢になって、よりサッカーがわかるようになったし周りのこととかもわかるようになって、非常に楽しくやってますよ。若い選手に自分の経験や技術を伝えてチームが良くなってくれば試合に勝つことができるんで。そういう楽しさがありますね。
- Q:息子さんと大阪で二人暮らしをされていました。家事も含め新しい生活は大変ではなかったですか?
- 全然大変じゃないです。自分もまた成長できるんじゃないかってポジティブに捉えてわくわくしていました。家事も、「俺はこういうこともできるようになったな」と思いますし、子どものためにやるのは嬉しくて、楽しくやれてましたね。掃除して家が綺麗になったときに、すっきりした気持ちで練習に行けているのがプレーに対しても良かったかもしれないですね。
- Q:FWとして、どんなに追い込まれても結果を出し続けていくために必要ことは何でしょうか?
- やっぱり要求することですね。練習のときから「ボールを出してくれ!」と。「DFに取られたらもうこっちの責任だから出してくれ!」っていう要求を常にすることで、自分にボールが集まってくる感覚というのはありますね。結局FWは点を取らないと「もう駄目だ」って言われるので、後悔しないためにも言い続けないと自分が終わっていくっていうか、他の選手に抜かれていく。昔から、そこは本当にぶれずにやってます。周りから批判されることもありますけど、別に嫌われようがやるのは自分だし、チームも強くなるからっていう思いがあるので。
- Q:これまでも逆境を跳ね返されてきました。大久保選手がサッカー選手として一番追い込まれたと思う時期はいつでしょうか?
- いやもう全部が厳しかったです。本当に良かったのは、プロ生活20年間で川崎フロンターレの4年間だけ。自分がやりたかったサッカーがありました。あとはもう全部、自分が思ったサッカーにはならないですし。でもサッカー選手は多分みんなそうだと思います。
- Q:大久保選手にとって原動力とは何ですか?
- 「見返してやる!」っていう気持ちですね。逆境に置かれるほうが好きで、「やってやろう!」という気持ちが出てきて、それを本当にできたときの喜びは、普通のときの喜びより、計り知れないぐらいすごい快感というのはあります。自分のプレースタイルは分かってますし、間違ってないっていう自信も持ってますし、それを試合で出してやるっていう気持ちで体を動かします。
- Q:「見返してやる」というのは怒りのようなものですか?
- 怒り?怒りっていうか、なんだろう。怒りではないんですよね。パスを出したくなる気持ちもある中で「自分が打てば入る!やれ!自分!」みたいな感じ。自分の本当の良さはなんなのかを思い出したり、自分に対して間違いなくできるって奮い立たせたりすることで、誰かに怒ってるとかではないですね。
- Q:そこまで自分に対しての厳しい姿勢が必要なプロ選手を長年続けられている要因は何でしょうか?
- やっぱり家族、子どもたちですかね。何年か前にも選手をやめようかなと相談したときも、「試合に出なくてもいいから、チームに所属だけはして欲しい」と言われて、そこまでサッカーをやって欲しいんだなあと。子どもたちは僕が点を取った姿を見るのが好きですし、点を取った試合の後だと電話で話していても話が弾んで長くなりますしね。今は子どもたち、家族のために。それしかないです。
- Q:プロ生活を振り返って、20代の大久保嘉人に何か伝えることがあるとしたらどんなことを伝えますか?
- これだけ何度も試合で退場して、でも自分のプレーをやり続けたことに対して、よくやったなあって言いたいですね。当然批判も受けるんですけど自分からそれをとったら、自分のプレーが出せないんですよ。冷静にプレーしようとすると力が入らないというか全部が中途半端な力でしかプレーできなくて、やっぱイライラしてるときの方が、すごいゴールを決めるんです。試合中は、「なんでこんなミスしたんだろう。なんで外したんだろう!?」というイライラから闘争心を引き出してプレーすると全然結果も違ったので、それをよくやり続けたなと。
- Q:「今までも常に挑戦する気持ちを持ち続けてきたから、これからも挑戦し続けたい」と語られていました。プロサッカー選手を目指して挑戦する若者に向けてアドバイスをお願いします。
- 努力するときは、すぐ先のことじゃなくて、ずっと先のことを思い描きながら、「こうなりたい!こうなっていたい!」っていう自分を思い出しながら努力することで、きついことでも前向きに取り組めると思います。もし、諦めてしまいそうになったら、最初に自分が持った夢のことを思い出してやり続けてください。後々自分が気づかなかったプレーができるようになって、あのときやり続けてよかったなって思うので、それを考えながら努力を続ければ、絶対に大丈夫だと思います。